霜月 たかなか／執筆・構成協力
©バード・スタジオ
出版社：集英社
スタッフによる本の紹介：
2024年3月、「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」といった人気作で知られる漫画家の鳥山明さんが亡くなりました。
「ドラゴンボール」は1984年から1995年の「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載とその後
も続いたアニメ番組の放映まで、幅広い世代に支持され、みなさんの中にもファンだと
いう方が多くいることでしょう。
さて、その鳥山明さんの担当編集者だった鳥嶋和彦さんが漫画について語ったのがこの
本です。鳥嶋さんは「Dr.スランプ」の中で「Dr.マシリト」という則巻千兵衛博士の敵
役？や「ボツ」が口ぐせの編集者として登場します。実際、たくさんの「ボツ」を出し
たそうですが、それは子どもの読者が読んでもちゃんとわかるものにするため、そして
作家の潜在能力を引き出すためでもありました。
この本の約半分は漫画で、とあるシーンの解説がたくさんあるのですが、その漫画を知
らない人でもよくわかり、どれもなるほど～と思えるのがおもしろいところ。ただしど
うやったら絵がうまくなるか、については書かれていません。それは作家目線の作品の
描き方ではなく、読者の視点から、つまり編集者は最初の読者、という徹底した編集者
目線の漫画方法論だからです。
鳥山明さんだけでなく、鳥嶋さんが関わった漫画家の桂正和さん、稲田浩司さん、それ
ぞれの対談もご一読を。作品を生み出す大変さが笑いの中から伝わってきます。
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