出版社:山川出版社
スタッフによる本の紹介:
みなさんは日本史や世界史をどのように勉強していますか?丸暗記?とにかく流れを覚える?それも一つの勉強法ですが…例えば理科のように「なぜ?」と疑問を持って考えたこと、あり
ますか?
この本は高等学校の日本史の教科書に使われている、山川出版社の『詳説日本史』の記述を引
用しながら解説が進みます。時代の節目など、ここで考えてほしいといった箇所には問題が設
けられています。
例えば、「伊豆で源頼朝が挙兵した時、まったく勝ち目のない彼に、平氏だった北条時政は、
なんで味方したんでしょうか?」どう考えますか?
この頃は平氏全盛の時代。本の著者、小泉秀人氏は本領安堵や新恩給与に期待したから、と考
えています。他にも平氏だけど、平氏の世の中にうんざりしていたのでは?とか、平氏といっ
ても都と東国では扱いがだいぶ違ったのでは?などの見方もあると思います。
歴史には未だに解明されていないことも多く、何年か後の教科書は変わっているかもしれませ
ん。なので「疑いもなく覚える」のではなく、「本当かな?」「なぜだろう?」と疑問を持ち、
仮説をたて、事実やデータに基づいて検証することで歴史学が進歩していくのだそうです。
もうひとつ、近代の章にある問題から。
「日英同盟の終了が日本にとって持つ意味は何でしょうか?」
動乱の明治・大正期の国際社会の中で、日本の立場や力関係はどう変わっていったのでしょう?
でもこれって、現代のニュースを見て考えるのと同じですよね。
歴史に学び、歴史に活かすための頭の使い方、視点の持ち方など、この本からいろいろな気付き
をもらってください。
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